糸練功とは


高血圧症で悩み続けた男性

男性 MHさん 80歳

 

平成18年2月 初診

高血圧気味で、最近血圧上昇のため、鼻出血が止まらなく一時は救急車で運ばれる身となった

無事退院したが、高血圧で足がものすごく冷えて体調が思わしくないとのこと。

糸練功で診ると

経絡病 大腸陽証 -0.5合

臓腑病 腎 陰証 -1合

鼻出血の関係上、外経の経絡走行からして、大腸経に出てもおかしくない

腎虚は、老人のために、出ていると思われる。

 

IP経脉治療 15分 7合まで回復

大腸 偏歴(絡穴) =IP= 脾 公孫(絡穴)

 肺 太淵(原穴)  =IP= 胃 衝陽(原穴)

(後から、見直しましたが、このつなぎ方は、入江式とは異なります。)

腎 入江式経別治療 15分 8合ぐらい

攅竹=IP=太谿

 

奇経を認めた

帯脈治療 臨泣=IP=外関

本日の治療を終了した

 

この治療法をおよそ、10回ほど繰り返した

 

4月7日

腎 臓腑病 3合

やはり、老人性の腎虚はそう簡単にはいかない。しかし

経絡病の大腸の陽証は治癒したようである

ご本人も「あれから一切出血は起こってません また病院に週に1回いくのですが、医師から、えらく血圧が下がりましたね〜

と首を傾げていた」と笑顔を浮かべながら、おっしゃっていました。

 

現在も、再発防止をかねて、毎週往診をしている。

 

考察

実は、この方は、私の鍼の師匠である。最初は入江式鍼灸に疑問を持っておられたが、みるみる体調が良くなっていくのを感じられたのか

後半は、自ら、イオンパンピングを購入し、自己治療に励んでおられます。今も毎日毎朝かかさず腎虚の経別治療と奇経治療をされているようです

当初 経絡病大腸陽証 と 腎経別の合病であったが、治療を続けていくと、鍼の大師匠 入江先生がいうように、一つの経脉に収まってくる。

現在は、腎虚証のイオンパンピングを続けていくのみである。しかし、臨床上、患者様の身体は、様々な環境にて、体調などが変化するのは

当然のことである、であるから、今日も腎経別のみであろうと、糸練功にかかるととんでもない、誤診・誤治を引き起こす。

治療の際、この人はお年召しているので、腎経別のみでいけるだろう、腎経別のみだろうと思いこみ、大腸経絡病陽証の証を見過ごしてしまい

腎経別のみで治療を行うと、なぜか、脉が跳ねるのである。どーしたことかと、遡るうちに、今回の原因がみつかった。

やはり古典に記載通り「先表後裏」 (表を先に裏を後に 病の浅い方から順番に)である。

前回、たまたま、急性症状としてなのか、経絡病大腸陽証が顔を出していた、今度は間違いないように、経絡病から臓腑病へ治療をしていった

驚くほどの、脉の柔らかさを実感できた、ご本人(先生)も、今日は凄くいい感じだと喜んでいただけました。

 

師匠の大切な身体を通しての、最高のお勉強をさせていただいた。以後先表後裏の法則には特に気を付けたいと思う。

今後も師匠の診療は続けて行きたいと思ってます。未だに師匠と共に勉強が出来るのは最高の財産だと思う。

先生ありがとう・・・・

 



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